■体験型学習をとおして糖尿病を管理
JR南武線の矢向駅から徒歩5分。懐かしい商店街を抜けるとヨーロッパのプチホテルを思わせる建物が目に入ってくる。松葉医院である。院長の松葉育郎氏は、マスメディアにも登場する糖尿病の名医。2時間以上かけて県外から訪れる患者もいる。そんな松葉氏のモットーは体験型学習。食事療法や運動療法をきちんと身につけるために、患者には納得するまで「作る・食べる・走る」を実体験してもらうという。
「糖尿病治療の基本は、食事療法と運動療法。このふたつを守れば、ほとんどの患者さんは血糖値を適正にコントロールできます」と語る。
■消費エネルギーを長期にわたりモニタリング
松葉医院では、患者にコンピュータを内蔵したライフコーダーと呼ばれる歩数計を携帯させている。患者の活動状況を6週間にわたって記録できる機器で、ひとりひとりの運動消費量や総エネルギー消費量など、必要と思われる項目を算出することができる。
「糖尿病の治療に欠かせない、きめ細かい指導に役立っています。
このかたは、まったく薬を飲まずに、当院の指導のみで正常値まで回復しています。生活指導の重要性を改めて認識させられる症例です」(図1)。
■管理の難しい患者には、人工膵臓による検査を
2階には、調理実習や運動の指導を行なう小ホールがあり、その隣が人工膵臓を設置した部屋。血糖値を自動的に測定しながら正常範囲内に維持できるこの装置は、個人ごとに異なるインスリンの効き具合や、不足しているインスリンの量を調べるために使われている。
「最近になって増えてきたインスリンが効きにくい(インスリン抵抗性)糖尿病とか、血糖値の管理がどうしてもうまくいかない患者さんに使っています」開業医でこのような機器を置いている例は少ない。
最後に糖尿病と仲良く暮らすポイントについて尋ねると・・・「食事にしても運動にしても、漫然と取り組むのはだめ。記録をつける、自分の目標を定めるなど、意識して行なうこと。そうすれば、糖尿病は決して怖い病気ではありません」