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2025.12.28
ダイエット 食事でよくある誤解【医師監修】
以前からダイエットを成功させるためには、食事と運動の重要性を伝えてきましたが、その理由を少しブログにしてみました。最近の流行りの肥満症治療薬GLP1製剤を使っても中止してしまうとリバウンドするという課題があり、今後はこの課題に挑戦していきたいと思っています。
糖質は「限りなく減らす」または「0」にすれば良いわけではありません
過度の糖質制限は、筋肉量を落とし、基礎代謝を低下させ、結果的にリバウンドを起こします。体重が減っているのに、体脂肪は減らず筋肉だけ減っている、という人は珍しくありません。 体重減少後の再増加を繰り返す“体重サイクリング(ヨーヨー減量)”は、血圧・脂質・インスリン抵抗性など心血管代謝リスク因子に悪影響を及ぼす可能性があると報告されています。一方で、すべての研究ですぐに有害とは結論されておらず、筋肉量・代謝率・体組成を含めた長期的な設計が重要と考えられています。 カロリーだけを減らす「小食」だけでは、多くの方が栄養素不足・代謝低下に陥ります。 ダイエットは「痩せるために、食べるべきものを決め直す」作業です。

「ただ痩せれば健康か、必ずしもそうとは限らない」
肥満症の食事療法の目的は、単に体重を減らすことではなく、健康寿命を延ばすことにあります。ガイドラインでは、まず3〜6か月で体重の3〜5%減量を目標とすることが推奨されています。わずかな減量でも血糖値や血圧、脂質が改善することが報告されています。
肥満症の食事療法の基本は、摂取エネルギーを消費エネルギーより少なくすることです。
一般的には目標体重に25kcalを掛けた量を上限とし、BMI35以上では20〜25kcal×目標体重が目安とされ、栄養バランスを保ちながら制限することが推奨されています。
近年注目される食事法に、炭水化物を制限し脂質を主なエネルギー源とするケトジェニックダイエット、断食や時間制限食など、短期的な体重減少効果や、糖改善に効果があるとする研究もあります。また、入院可能な医療機関では、超低カロリー食が用いられることがあり、短期間で大幅な減量も可能です。
基本的には、痩せることで様々な生活習慣病や、心血管合併症のリスクは減少します。
ただし、極端なダイエット法は短期的な効果がある一方で、長期的な心血管リスクの増加や、栄養失調・サルコペニア・フレイル・リバウンドの危険など個人差が大きいことも示されています。
太っていない女性では、過度な糖質、カロリー制限により糖尿病発症リスク、増悪するリスクが上昇することも論文報告されています。そのため必ず医師や専門家に相談しながら安全に取り入れる必要があります。
「医学的に正しい痩せ方」
・糖質制限は「適度」が重要。ゼロを目指すことは、長期的な代謝維持において逆効果になる可能性 ・栄養の過不足なく、筋肉を守りながら脂肪を燃焼させる「賢い選択」こそが、リバウンドしないダイエットの鍵。 ・1日の蛋白質量を確保 ・脂質の種類を見直す ・体組成(InBody)を使い、筋肉量と脂肪量の変化を確認しながら栄養比率を随時見直す。

肥満症の治療はまず食事・運動療法が基本ですが、これらを続けても十分な減量が得られない場合や、合併症の状態により薬物療法も検討されます。
GLP-1(ウゴービ)やGLP-1/GIP(ゼップバウンド・マンジャロ)などの薬剤を併用すると、体重減少量は大きく、筋肉量より脂肪量の減少が優位になります(注;筋肉量も落ちます)。
しなしながら、薬は万能ではありません。生活習慣の介入と「正しい順番」で組み合わせることで、リバウンドを下げられる可能性が研究で示されていますが、一方で食事・運動療法の基礎が無い場合は、薬剤中止と共に明らかなリバウンドをして、薬剤開始前に近い体重に戻ってしまうこともわかっています。
当院では、管理栄養士、健康運動指導士、医師などが伴奏し体組成を確認しながら皆様の減量をサポート、そして、このリバウンドという課題に取りくんでおります。
薬剤に頼らず-10%の体重減量に成功した方もおられます。気軽にムリなく、のんびり健康と美を手に入れましょう!
以上、簡単なまとめでしたが参考になったでしょうか。当院は、川崎市幸区で生活習慣病、糖尿病専門の医師によりダイエット・減量外来も行っています。体重増加でお悩みの方は、お気軽に御相談・お問合せください。
参考文献
・Intensive lifestyle intervention and type 2 diabetes outcomes. N Engl J Med. 2013.
・Primary care-led weight management and remission of type 2 diabetes (DiRECT). Lancet. 2018.
・Tirzepatide once weekly for the treatment of obesity (SURMOUNT-1). N Engl J Med. 2022.
・Once-weekly semaglutide in adults with overweight or obesity. N Engl J Med. 2021.
・Consequences of Weight Cycling: An Increase in Disease Risk? 2014.
・Weight Cycling and Its Cardiometabolic Impact 2019.
・The Physiological Effects of Weight Cycling: A Review of Current Evidence .2023
・Yoyo Dieting, Post Obesity Weight Loss, and Their Relationship with Gut Microbiome .2024
解説 松葉怜 監修 松葉育郎
※副院長の肥満症について簡単に解説した基礎動画はこちら
