お知らせ
2024.03.08
糖尿病の初期症状~こんな症状があったら注意~
今回は、糖尿病の初期症状について簡単にまとめていきます。参考にしてください。
2019年の国民健康・栄養調査によると、「糖尿病が強く疑われる」人の割合は、男性 19.7%、女性 10.8%と報告されています。一方で、糖尿病と診断されていても4割が放置しているという状況があります。
もし、この記事を読んで当てはまるような症状があれば、早めに近くの医療機関受診を考えましょう。
「糖尿病の原因」
糖尿病の発症には下記にお示しするような生活習慣が密接に関与しています。これらの生活習慣が、インスリン抵抗性の増加や膵β細胞の機能低下に繋がり、糖尿病の発症・進行を促進します。
糖尿病の原因は複雑で、遺伝的な要因と環境要因が相互に作用します。文献によれば、遺伝的素因に加え、肥満、高血圧、高コレステロール、喫煙などの生活習慣も重要なリスク因子となります。
糖尿病発症に関わる生活習慣
- 朝食の欠食、間食、夕食の時間が遅い、早食い
- 食物繊維が少ない食事
- 運動習慣が無い
- 喫煙、多いアルコール摂取(ビール350ml 約3本)
- 成人後の体重増加
「糖尿病の初期症状」
糖尿病の初期症状は多岐にわたり、個人差がありますが、以下は一般的な初期症状のいくつかです。 頻度は症状によって異なり、病態の進行度合いや個人の健康状態によっても変化します。もしこのような症状があれば、受診が必要な危険なサインかもしれません。
①多尿
インスリンの不足により高血糖となり、腎臓に影響を与え、尿糖と共に尿量が増加します。
②口渇感・多飲
多尿により水分が失われ脱水となり、喉の渇きが増し、結果的に飲水量が増加します。ここでスポーツドリンクを飲んでしまうと更に血糖が悪化してしまうので、注意が必要です。
③体重減少・倦怠感
インスリンの不足により、ブドウ糖利用をエネルギー源として利用できなくなり、代わりに脂肪および筋肉が分解されることで体重が減少する場合があります。
「発症後あるていど経過した後の症状」
①足の裏のしびれ、痛み、砂の上をあるくような、地面との間に紙一枚はさまっているような感覚異常
糖尿病神経障害の症状です。まずは両方の足裏からジンジンとしびれや、痛みが出始め、時間が経つと手にも同様の症状が出現します。また白癬(水虫)などの感染症にかかりやすくなったり、足の発汗異常により乾燥・角化、たこができやすくなったりもします。
②視力の低下、目のかすみ、視野の欠損
糖尿病網膜症の症状です。視力や見え方に異常が出ます。発症部位によっては短期間で失明することもあります。その他白内障や緑内障も起こりやすくなります。
③尿量の低下、むくみ、倦怠感、かゆみ
糖尿病性腎症が進行すると、身体の中で出来た不要な物質を尿から捨てられなくなります。また、身体に必要な蛋白質が尿に漏れて失われていきます。その結果、老廃物がたまり尿毒症を発症したり、血管内に水分を保持できず漏れ出て浮腫やむくみにつながります。 重要なのは、これらの症状が現れた場合には早期に医療機関を受診し、糖尿病の検査を受けることです。 発症の早期予防、疾患の早期発見は、生活の質を落とす心筋梗塞や脳卒中、慢性腎臓病の予防に有効です。
採血を行い糖尿病が疑われるかどうかを調べるには、血糖値とHbA1cの採血検査が必要です。当院では、検査結果は5-10分程度で出ます。
早期の糖尿病疑いの方では食前・空腹での血糖上昇はつかまりにくいため、食後1-2時間程度での採血をお勧めします。御心配に過ごされている方はお気軽に御相談ください。
執筆 松葉医院 副院長 松葉怜 監修 松葉医院 院長 松葉育郎